病院に最適な求人広告とは?
2022.10.26
病院やクリニックの人材確保は、他の業種に比べても難しいといわれています。
高齢化による労働者の減少に加え、医療職は有資格者限定となるため対象者が限られてしまうことが原因です。実際、求人がうまくいっていない、スタッフが不足して困っているといった病院やクリニックも多いのではないでしょうか。
この記事では、病院やクリニックの採用担当者に向けて、医療業界の求人の現状や求人方法、費用の相場などを紹介します。
求人の現状を知りたい、効果的にスタッフを採用したいと考えている病院やクリニックの方はぜひ参考にしてください。
この記事の目次
医療業界求人の現状
はじめに、病院やクリニックの人材確保がどのくらい難しいのか、現状をみてみましょう。
このグラフは、厚生労働省の調査をもとに医療専門技術職の有効求人倍率の推移をまとめたものです。
いずれの医療専門技術職も有効求人倍率が2倍を超えており、他の業種全体の平均値を表す「職業計」を上回っています。
また、医療専門技術職の中でも近年は「医療技術者」の有効求人倍率が最も高く、2020年には2.7倍です。一方で、医師・歯科医師・獣医師・薬剤師の有効求人倍率は、ここ数年で減少傾向にあります。
有効求人倍率を見ると、医療専門技術職の需要は供給を上回っている現状が分かります。
高齢化や感染症の影響から医療の需要が高まっていることを考慮しても、医療専門技術職が不足しているのでは明らかといえるでしょう。
採用方法にはどんな種類がある?
医療職の採用難が続くなか、従来の採用方法だけでは、病院・クリニックの人材確保は難しいといえます。施設の目的や状況に合わせた採用方法の工夫が必要です。
ここでは、病院・クリニックにおすすめの採用方法を紹介します。
- ①求人検索エンジン
- ②医療特化型の転職サイト・転職エージェント
- ③リファラル採用
- ④ダイレクトリクルーティング
①求人検索エンジンを活用する
求人検索エンジンとは、会社名や職種などキーワードを入力しマッチした条件の求人を探すサイトのことです。
求職者が検索エンジン上で調べたキーワードに応じて、関連性が高い施設の求人が表示されます。そのため、求人を多くの目に留めて、採用チャンスを広げたい場合におすすめです。
たとえば、「病院 勤務」、「医療職」など、直接的ではないキーワードの検索でも求人が表示されます。転職に対して、潜在的なニーズを持つ人を引き込める可能性も高まるでしょう。
代表的な求人検索エンジン
・Indeed
リクルートグループが運営する求人検索エンジンです。
毎月2億5,000万人の来訪者があります。初期費用、期間掲載費、採用成功費のいずれも完全無料です。求人に必要な作業は「アカウントの開設」と「求人情報の入力」の2点のみで、入力した内容に問題がなければ数日で求人情報が公開されます。
また、求人票の文字数制限がないことも大きな特徴です。自社として伝えたいことを余すところなく伝えることができます。
・求人ボックス
価格コムが運営している、求人に特化した検索エンジンです。ユーザーは、「職種・業種」および「勤務地」の2つのキーワードを入力して求人情報を探します。検索エンジンなので、基本的にはweb上にあるすべての求人情報が自動で掲載されますが、求人ボックスに直接求人情報を投稿して求人ページを作成することも可能です。
また、企業の採用ページを掲載することも可能ですが、これに関しては有料です。
求人検索エンジンを利用するメリット
検索エンジンを利用するメリットを記載しておきます。検討する際の判断材料にしてください。
①採用コストが安い
一般的に求人サイトに掲載すると数十万円など高額な採用費がかかります。
しかし、求人検索エンジンの掲載料金は無料になっているものがほとんどです。
自社の採用HPに載せている情報や、すでに掲載している求人サイトから自動でクローリングしてくる仕組みを利用して掲載するか、各求人検索エンジンサイトに直接投稿するため料金がかかりません。
しかし、求人検索エンジンは求人の掲載数も多いため、求人が埋もれてしまうことも多々見受けられます。
そのため、より応募数を増やすために有料課金にするなど、さまざまな運用が求められます。
②全職種・全雇用形態に対応のため求職者に発見してもらいやすい
自社の採用HPに載せている情報やすでに掲載している求人サイトから情報を検索サイトに掲載するため、複数のサイトで求人情報を公開している企業や、複数職種での募集をしている企業は求職者から発見されやすくなります。
また雇用形態も、正社員・契約社員・派遣・アルバイト・パートなどさまざまな雇用形態の求人情報を網羅的に掲載することができます。
③地方求人に強い
求人検索エンジンは地方採用にも強いことが特徴です。求人サイトや人材紹介は、首都圏などに集中されやすく、地方の求人掲載があまりないのが現状です。
しかし、求人検索エンジンは、地方の求人情報も多く掲載しています。そのため、地方で仕事を探している求職者の利用が多く、応募されやすくなっています。
②医療特化型の転職サイト・転職エージェント
転職サイトと転職エージェントの違いは、
- ・求職者が自分で転職活動を行うのが転職サイト
- ・活動をサポートするアドバイザーが付くのが転職エージェント
です。
近年は、特定の業種に特化した転職エージェントが増えています。医療職に特化したサービスに求人を掲載すれば、医療分野に精通したエージェントが、採用活動をサポートしてくれる点がメリットです。
しかし、求人検索エンジンを活用して自社で採用活動を行うことと比べて、その分費用もかかります。
③リファラル採用
リファラル採用とは、現在雇用している従業員の紹介により、新たなスタッフを確保する方法です。医療職は、養成施設や勤務先で多くの同職種とつながるため、リファラル採用がしやすい職種といえます。
リファラル採用を実施する場合は、資格や経験など、自分たちが求めるスタッフの条件を明確にすることが重要です。安易な紹介により職場に合わないスタッフを採用してしまうと、かえって生産性を低下させることになりかねません。
メリットとしては、
- 採用費用が安い
- 自社の理念に共感する、離職率の低い採用ができる可能性が高い
ことが挙げられます。
④ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングとは、自分たちから求職者に直接アプローチする採用方法です。
SNSを活用したり、直接呼び掛けたり、「LinkedIn」や「ビズリーチ」などの専門サービスを使ったりして行います。比較的新しい採用方法です。
メリットは
- 簡単にアクションできること
- 費用がかからない
ことです。
病院の求人広告出稿の方法
求人広告掲載までの流れは以下のとおりです。
- 求人広告会社へ広告掲載について問い合わせる
- 採用条件や広告費の予算などを打ち合わせして、プランの提案を受ける
- 広告掲載条件に納得したら申し込む
- 求人広告会社から、企業紹介のための取材を受ける
- 求人広告会社が制作した原稿に自社の原稿を加えて入稿する
- 掲載を開始する
WEBで気軽に問い合わせができるなど、使いやすく設計されているものが多いです。
費用について
ここまで、求人の特徴や方法を解説してきましたが、採用にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか?
採用にはできるだけコストを掛けたくないけれど、コストを抑えすぎて採用できないのも困ります。
ここでは採用コストの種類について解説・比較をしていきます。
無料掲載型
Webサイトやアプリに無料で掲載できる媒体もあります。
例えば、求人検索エンジンのIndeedでは、求人情報を無料で登録できます。より多くの求人者にみてもらうために有料広告も用意されています。
掲載課金型
求人情報サイトで一般的なのは、広告掲載に対して料金が課金される方式です。料金は掲載期間や広告枠の場所、面積などによって変わり、数万円から数百万円まで幅があります。
例えば、リクナビNEXTでは、2週間で13万~の費用が必要とされています。(参考:リクナビネクストHP)
成果報酬型
成果報酬型は成果に応じて料金を支払う方法で、
- 応募課金型
- 採用課金型
があります。
応募課金型は応募申し込みごとに課金され、費用の相場は1件あたり数千円から数万円です。応募課金型は採用者数が多いと割安になる一方、応募が多いと予算オーバーになる恐れがあります。
採用課金型は採用人数に応じて請求が発生し、費用の相場は社員の場合が年収の30~35%程度、アルバイトの場合は数万円です。
広告費を予算内に納めやすい反面、少ない応募者で採用が決まった場合は割高になります。
まとめ
ここまで、医療業界求人の現状と求人方法、求人広告出稿の方法、費用について解説しました。
分からない中でいきなり大きなリスクを取るのではなく、まずはチャレンジしやすい安価な媒体から初めてみるといいでしょう。
例えばIndeedなどの無料求人サイトに掲載し、様子を見ながら広告オプションなどの有料サービスを利用してみてもいいかもしれません。
自社の状況・採用の緊急度や予算に合わせて求人媒体を使い分け、効果的にスタッフを採用できるノウハウを身につけましょう。